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基礎講座「資金繰り表」●5年前くらいまでは、銀行に財務諸表を提出してください、と言われたら、貸借対照表(いわゆるBS)と損益計算書(略してPL)を提出すればよかったのですが、最近ではキャッシュフロー計算書(略してCF)の提出をも求められるようになりました。これはデフレ時代になって、キャッシュフロー経営が求められているからに他なりません。デフレ時代はモノの価値が下がる。つまり在庫や設備の価値は年々下がっていくので、相対的にキャッシュの重要性が高まる、ということなのです。 キャッシュフロー経営とは 1.適正利益を上げる。 以上の原則を忠実に実行することにより、キャッシュフロー経営は実現されます。このお話はまた後日にします。 ●まず今回はキャッシュフロー経営のための資金計画の第一歩である、資金繰り表のお話をします。 資金繰り表とは企業の資金(現金及び預金)を月日ごとの資金の残高及び出入金を把握し、資金の過不足の状況を判断するとともに、資金の調達や運用を検討しようとする表です。 一般的には 「月初現預金残高(前月繰越)」に このうち「収入」と「支出」を経常収支、設備収支、財務収支の区分に分ける八区分型の資金繰り表が、実務上広く使われています。 「月初現預金残高(前月繰越)」 キャッシュフロー計算書でいえば、経常収支は営業キャッシュフローであり、設備等収支は投資キャッシュフローであり、財務収支は財務キャッシュフローといえる。 ●経常収支とは、毎月経常的に発生する資金収支であり、臨時的に発生する経常外収支と区分します。経常外支出のうち、金融機関からの借入や返済に係る収支を財務収支といい、固定資産などの設備の購入や売却による収入に係る収支を設備等収支といいます。 経常収入…売上入金、雑収入、受取利息、配当金 ●資金繰りは経常収支比率を重視すべきです。経常収支比率は以下の算式で計算されます。 経常収支比率=経常収入/経常支出 ×100 経常収支比率が、もし継続的にマイナスであれば、何らかの手当をしなければ経営が早晩ゆきづまることになります。経常収支比率は、キャッシュフロー経営からは、常にプラスでなくてはなりませんし、また比率を高めていくことが必要です。 ●資金繰り表は、会社では経理が作成しますが、やはり経営陣も前述のキャッシュフロー重視の観点から、資金面の理解は欠かせません。次回は具体的に資金繰り表の作り方を詳説していきます。
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