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月別利益計画●前回から具体的な資金繰り表の作成方法についてお話ししていますが、資金繰り表の作成手順をもう一度を思い出してください。 1.過去の売掛金回収率の調査 1.過去の売掛金回収率の調査については、前回で詳説しましたので、今回は2.月別利益計画の作成のお話です。 利益計画は、変動損益計算/限界利益編でたっぷりと学習してきた変動損益計算の形で作成します。 (1)売上予算 (1)売上予算 営業部門で、製品別、市場別に予算を立案するが、実行可能性を重視し、堅く積み上げることが肝心です。 (2)変動費及び限界利益予算 売上計画が製品別、市場別になっている場合には、その製品別、市場別の限界利益率を乗じて計算する。また製品や市場が季節変動が大きい場合には、在庫の増減額も加味する必要があります。 (3)製造固定費予算 製造固定費は、人件費、減価償却費及びその他の固定費の三種類に区分し、人件費中に賞与引当金や退職給与引当金がある場合には、それも区分します。 減価償却費やこれらの引当金は、資金が流出しないノンキャッシュ費用と呼ばれ、支出がないので、資金計画では厳密に区分する必要があるのです。 (4)販売固定費予算 基本的には、製造固定費予算と同様に、人件費、減価償却費及びその他の固定費に区分し、やはり支出を伴わないものを厳密に区分します。 (5)営業外損益予算 営業外損益の中で、特に重要なのは支払利息です。銀行からの返済予定表から支払額を集計し、転記します。また借入金額が少額で重要性があまりない場合には、借入金残高に平均利率を乗じて計算しても結構です。 その他の営業外損益は、前期、前々期の実績をみて、金額が大きいものがなければ、前期と同額でも構いません。 以上が 2.月別利益計画の作成の概要です。変動損益計算/限界利益編でお話した内容に、資金計画用に資金流出を伴わない費用を区分するという作業が加わりますが、これは特に難しくはないと思います。 ●月別の利益計画が出来たら、3.当月・翌月の資金予測に移ります。 入金は、利益計画の売上予算と過去の売掛金回収率から、現金売上や当月の売掛金回収、受取手形取立が決定しています。 その他に入金で、資金繰り表に必要なのは、受取手形の割引高及び銀行借入額による資金の調達です。 一方、出金は変動費及び限界利益率予算から仕入支払または支払手形決済が、製造固定費予算及び販売固定費予算より固定費支払が、営業外損益予算より支払利息支払が既に決定しています。 その他に出金で、資金繰り表に必要なのは、借入金の返済額です。これは営業外損益予算で使った銀行からの借入金返済予定表により、集計します。 以上で、ほぼ資金繰り表の骨子が固まりました。残るは4.不足資金対策ということになります。次回は実際に資金繰り表を作成してみましょう。
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