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人件費計画●固定費計画においては、固定費を人件費とその他の固定費に分けて考えます。人件費とは給与賃金、賞与、社会保険料などの法定福利費、退職金や厚生費などをいいます。その他の固定費は旅費交通費、通信費や地代家賃を含んだ人件費以外の固定費をいいます。固定費=人件費+その他の固定費 人件費 =給与賃金、賞与、法定福利費、退職金、厚生費等 その他の固定費=旅費交通費、通信費、地代家賃、租税公課等 ●まずは人件費です。人件費は1人当り人件費と人員数の掛け算で求めます。 人件費=1人当り人件費×人員数 確かに1人当り人件費を出来るだけ高くすれば、良質な人材は確保しやすいでしょう。しかし本当に大切なのは高い人件費を支払ってもなお、高い収益性を維持することです。 1人当り人件費=人件費合計/平均従業員数÷12 来期の1人当り人件費の計画は、部門や部課別に平均値を求め、その平均値に昇給予想率を乗じた金額の合計額とします。 全業種平均の1人当り人件費は約38万円といわれていますが、業種や年度によりかなり異なりますので、中小企業庁やTKCの提供している業界平均値との比較したり、前期以前の傾向値を掴む必要があります。 ●人員数については、部門や部課からの必要人員数をとりまとめ、生産性から検討を加え決定します。 まず部門や部課において、来期の売上計画や生産計画を達成するための人員増、部門や部課の統合や業務の合理化による人員減、あるいは人事異動による調整など、部門や部課の人員数の積上げによる必要人員を検討します。 一方、生産性からの検討も行わなければなりません。積上げによる必要人員は多くの場合、業務の合理化による生産性の向上の視点が欠けています。生産性を検討せずに、どんどん人員が増え、利益が目減りした企業は数しれません 生産性の指標は、労働分配率を重視します。 労働分配率=人件費/限界利益 労働分配率は、限界利益の何%を人件費に分配したか、という指標です。この指標は、労働集約的な業種については高くなり、資本集約的な業種については低くなります。一般的には55%以下に抑えたいものです。また45%以下であれば優良企業といえます。 ●積上げで人員増となったが、生産性からは人員オーバーと出た、とすると業務のやり方にムダがあるのでは、またその業務本当に必要なのか、と疑ってみることも必要です。不要な業務をやめてしまえば、人員減につながりますし、パート社員への変更や内製から外注への変更なども人員減に直結します。 ●1人当り人件費は高く、かつ労働分配率は低く、が理想の人件費といえます。 人件費水準は、従業員の貢献意欲に直結しますので、計画的に理想の姿に近づけることが、長期的な会社の繁栄につながります。
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