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キャッシュフロー経営編>運転資本対策 |
運転資本対策●前回はキャッシュフロー経営の三原則の2「運転資本を増加させない営業活動」についてお話ししました。原則2の意味は、利益をキャッシュとして残すことでしたね。●キャッシュフロー経営の三原則はとても大切ですので、再掲します。もう一度復習です。 原則1.適正利益を生み出す ●今回は、「運転資本を増加させない営業活動」のための対策、運転資本対策についてお話します。 運転資本とは、売掛債権(売掛金+受取手形)、在庫(商品、製品、原材料、仕掛品など)及び買入債務(買掛金+支払手形)から計算するのでしたね。 運転資本=売掛債権+在庫−買入債務 運転資本対策とは、ひとことで言うと、運転資本を少なくすることです。運転資本が少なくてすむということは、売上が増えても、回収までのつなぎ資金が少なくても大丈夫だということです。 運転資本を少なくするということは 1.売掛債権を少なくする(売掛債権回転日数を短くする) ●例えば、八百屋さんを想像してみて下さい。八百屋さんは、毎朝市場で野菜を現金で仕入れ、その日に近所の奥さんに現金で売り切ります。 この八百屋さんは、売掛債権は0円ですね。また売り切ってしまうので、在庫も0円です。さらに仕入れも現金で行っていますので、買入債務も0円です。 ということは、この八百屋さんの運転資本は0円となります。(厳密に言うと、先に仕入れしないと売れませんので、仕入れ分の現金は必要で、これが運転資本ともいえます) 売掛債権0円+在庫0円−買入債務0円=運転資本0円 この八百屋さんが、仕入数量が増えたとか何らかの理由で、ツケで仕入れることができるようになったとします。支払いは、月末締めの翌月末払いとすると、買入債務回転日数は30日となります。その場合、運転資本回転日数は何日でしょうか。 簡単ですね。答えはマイナス30日です。 売掛債権0日+在庫0日−買入債務30日=運転資本回転日数−30日 ●このように運転資本がマイナスになる業種があります。それは小売業です。小売業は、現金販売の掛仕入ですから、在庫をあまり持たなければ、運転資本はマイナスとなります。 これを応用したのが、皆さんご存知のデル・コンピュータです。デルは消費者に直販し、受注後に組立てるため在庫を持たず、仕入はもちろん掛で行っております。このようにデル・モデルとは運転資本がマイナスになる、つまり売れば売るほど手元資金が増える仕組みになっています。 ●そこで運転資本対策ですが、 1.売掛債権を少なくする 2.在庫を少なくする 3.買入債務を少なくする 支払いを先延ばしにすることになり、あらぬ噂をたてられても困るので、非現実的です。 ●このように運転資本対策を講じることにより、利益がキャッシュとして手元に残ります。ぜひデル・モデルのように運転資本対策を戦略として経営に活かしてください。
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